シリーズ第10回 薪ストーブが使う空気量番外編、本体の気密性について。

2022年02月05日

このシリーズも山場を越え(勝手に超えるな)、山場を越えた満足感が書く気を削ぎ(削げるな)、

入る空気の量と “針葉樹の建材端材などの相性” の問題とか、

入る空気の量と “壊れるリスク”、っていう感じのテーマだったり、

入る空気の量と “使いやすさ” との関係、、みたいな小ネタテーマがメモ帳(やったネタはメモ帳から消していく派)に書いてあるけど、

さっきの理由で小ネタはちょっとなんか広げる気がしないので、

番外編として、

写真のように給気の開口を塞げば、

薪ストーブ本体の気密の善し悪しも測れる。って話にしよと思って。

 

でさ、

よく言うじゃん、鋼板製は気密がイイって。

誰測って言った? 笑

正確に言うと、「鋼板製は気密がイイと思う、何故なら、曲げや溶接が使えるから」ってことなんだよね。

でねこれ実際計測すると、

鋼板製薪ストーブ。機外静圧で割ると88.9という密閉度(MPD)

対して鋳物

鋳物、84.4という密閉度

例えばだけどこの88.9と88.4という数字、確かに鋼板の方が数字はいいけど、全周ガスケットで出来ている鋳物薪ストーブでここまで差がないとは、、って思うのね。

で、実際にこれは凄い圧力かけてこの数字で、

計算は省くけど、これを通常使用帯域の30Paにスケールダウンしたとすると、6Paの差は、1.32Paの差となるのね、もうこれは誤差の範囲以外の何物でもないって感じ。ま、これとても丁寧に作られたとてもイイ鋳物薪ストーブだけどさ。

色々計測しているけど、あくまで僕の経験だけど新品時はほぼ全く遜色ないね。10年使ったら差は出てくるかもしれない。

古い薪ストーブはそこまでサンプルが無いんだよね。でも何年使おうとしてるの? ってこともあるし(前にも書いたけど、薪ストーブは10年くらい使って取り替えられることが多い)、愛着のあるものであれば、鋳物は全バラして組み立てると元に戻る。

コストはかかるけどね。

あと、ここ大事と思うけど、さっき計算したように、

実際の使用で薪ストーブが使われている圧力帯0Pa~せいぜい50Pa 程度、、実際には、でせいぜい30Paは以下で稼働していることが多い、そういう低いレンジでは薪ストーブ本体の気密はそんなに大きく問題にならない程度問題ってこともあると思う。

薪ストーブの気密性は住宅と同じで計画換気を実現できる程度の気密性があることが一番大事な条件で、明らかにどっか計画と違うとこから空気入ってるな、、っていうのは問題外だよね。家では計画換気だけど、薪ストーブでは給気と排気を計画的にできる程度の気密ってことね。

絞れる薪ストーブが性能がイイと勘違いしているプロも未だ多いし(レバー絞ってオーロラ出したい的な笑  )、

鋼板製薪ストーブが高気密住宅に向いているというロジックは、気密がイイと思う、→ 負圧に耐えられると思う、 っていうイメージなんだろうね。

実際には薪ストーブにドアがあるというだけで(薪ストーブだもの、ドアは必ずあるよね笑)、ある程度の負圧(どの程度の数字かももちろんわかってるけど、給気の少ない家でレンジフードとか回って実際に全然なる数字です。)になったらどのドアからもリークするわけだから。それはどの薪ストーブも同じなんだよね。

古い鋳物ストーブのデータとかも溜まってきたら、公開するわ。

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