煉瓦の手伝い
数日レンガ工事の手伝いに行ってきた。
レンガは、炉台やメイソンリーヒーターなんかでいつも積んでいるんだけど、
レンガ屋さんの本物のレンガ工事を手伝いにというね。前からそういうの経験してみたかったんだけど、
レンガ屋さんっていうのは、とても希少な職種で「レンガもやるよ」とかじゃなく、レンガだけを積んでいるホントに珍しい(昔はたくさーん居たんだと思う)、職工。手伝いに誘ってくれた方は、40年の大ベテランで、職人の数が少ないので全国にあるレンガの工事であちこち歩いている吉田さん。
いやあ楽しかった。
勉強になるってことももちんあるし、
普通51歳で僕も32年現場に出続けてなかなかこういう経験できないと思って。
っていうのはさ、
いろいろあるんだけど笑
まず、そのベテランさんの仕事の価値が浮き彫りになるときってあまりないんだよね。
普段は吉田さんもあちこちの現場でプロ同志集まって仕事して、プロ同志だとやれて当たり前で、プロ同志の自画自賛にはならないし、、
監督さんは職人呼んでるんだからやれて当たり前って思っているし(監督業ってのは、その現場仕事の価値をリスペクトしすぎると自己のアイデンティティを失う脆さと裏腹くらいの人が多い笑、ほんとは分業ってだけなのに←建築業の闇 笑)、
素人は見てただ「すごいねー」、ってなるしね。
僕がその価値を語るにはちょうどいいわけよ笑
レンガっていうのは一個一個が何万個が何百万個になって、橋や家や寺院になるわけだから。
吉田さんの手元見てると40年で何百万個積んだのかな?と感慨さ。
僕自身もなんか懐かしかった。手伝いの緊張感とか。僕の仕事柄 数日連続であけるっていうのってすごい難しいかったんだけど、その甲斐はほんとあったし、久しぶりに全くこちらはやったことない仕事の先みて段取りしたりみたいなのが、若いころ思い出した、って僕下積み的なのってあんまない(勝手にやっちゃうし早くに独立したから)んだけど笑、懐かしかった。
51歳でそういう “いつでもゼロに戻るよ” みたいな仕事に対する謙虚さを持ててる(持ててると思っていたけど、なかなか人はそれを経験できないんだって)ことが確かめれたことや
煉瓦積むっていうのは、
一番手がかかって、工期がかかって、コストがかかるのでどんどん無くなっていってるんだって。
掘った粘土を練って干して焼いたらすごい積みやすくなってそれ積んだら家になったりするのって、
その知恵や動作って、太古の昔からどれだけ人類が恩恵を受けてきたものかわからないくらいのものだと思うし、
僕らは言ってもパッと出だから、
煉瓦のいわゆる新しい魅力に魅了されているけど、いや、ずっと存在してきた価値を新しいって思っただけなんだけど笑、
ずっと見てきた人との違いっていうのかな、
そういうのも感じれて面白かった。僕にとっては何ならレンガってこれからだ、って思っているし笑。業界ではどんどん無くなっているし。
僕自身絶対若くはないけど、吉田さんとは10歳くらいしか変わんないんだけど
それでもそういうの見てそれをさらに若い世代に残したいと思うしね。
異種格闘技ばかりしてきた僕と、生粋のスペシャリストと、色々なクロスオーバーを感じるイイ経験だった。