シリーズ第1回 薪ストーブが使う空気の量
薪ストーブの事色々書きたいことがあって、
それを書くには、もうこのことを皆さんにも覚えてもらわないと不便過ぎるので、ずっとめんどくさかったんだけど書こうと思う笑。一回で書けないだろうからシリーズにしておくっかな。
“薪ストーブが使う空気の量” ね。
たとえば、
「針葉樹が~広葉樹が~」 とか
「煙やニオイを出さないように焚くには」とか
「最適な薪の大きさ」とか「着火は下からなの上からなの」とか
そのあたりの問題は、この”薪ストーブが使う空気量”の概念無しに全くのただの想像話しってだけになってしまうくらい大きな要素なんだよね。
で、
これの大事なところは、数字で出てくるので、僕の勝手な想像であるとか、経験的に、、とかエビデンスの無い曖昧なものではないのよ。
ま、
色んな人に何回もこの話過去にもしてきてるんだけど、薪ストーブ屋さんっていうのはこういう話に弱いんだよね笑。なんでかっていうと自分で培ってきた経験があるから仕方ないよね。(てか数字に弱い人多いかも笑 薪ストーブ屋さんて。) 札幌とかのイベントの講演とかでも経験するけど、ユーザーさんにこういうテクニカルな話すると以外とストンと腑に落ちてるね。先入観があるとダメだけど、数字だから・・
前置きは459文字になったけど、いくね。
そもそも僕がこれを計測し出したのは多分6年とか7年とか、、突然ひらめいたんだよね。あ!! 測れるな、、って
室内の負圧の計測をするために持っている微差圧計、。
倉庫に転がっている換気扇
その二つの組み合わせで薪ストーブのこんなことがわかるのよ。
換気扇っていうのは、PQ特性図っていうので圧力と風量の関係がカンタンに出てくるのね。例えば僕が使っている換気扇は、風量ゼロの時の圧力が135Pa(数字だけお覚えてね笑)だね。
薪ストーブに換気扇をダクトでつなぐ。口元に圧力を計測する微差圧計をセット。
薪ストーブの空気を吸い出すと、給気口が全開の時は空気が沢山入るので、微差圧計の数字は135Paよか下がるよね。
給気レバーを全閉にすると、135Paに近づいていく。
そして、ワンパイプ(外気導入できる薪ストーブのこと)の場合はそこを塞ぐと薪ストーブ本体の気密度が計測できるってわけ。135Paに近いほど完全密閉体に近いというかね。
これで何が計測できるかっていうと、あるドラフトの時、
空気レバー最大で流れている空気の量 と
空気レバー最小で流れている空気の量 が
数字で出てくるわけ。
これは換気扇の性能を分母とした百分率に変えると、全国何処で計測しても同じ条件で計測できる便利な数字なの。
僕は個人的に
給気レバー最大の時の数字を 最大開口度とよび、
最小の数字を 最小開口度 と呼んでいます。
薪ストーブ本体の密閉度もこれで計測できる。それはそのまんま密閉度と呼んでます。
これでわかることってめっちゃあるわけよ。
このストーブこんなに空気入るように設計されてる!
このストーブ空気絞ったらこれくらいしか空気入らない! とか
最大と最小の幅 空気レンジ。
これって薪ストーブを設計する時の最も大きなキャラクターなんだよね。
だから薪ストーブの事この数字でめっちゃわかるわけ。設計意図。
古い薪ストーブと最近の薪ストーブの違い、スカモとの関連性とかね。
この数字が同じ場合、違うストーブでも同一圧力なら(同じドラフトならば)流れている空気の量は同じなのよ。
2014から測っているから、沢山の薪ストーブの数字持ってるよ。
もちろん色んな薪ストーブの密閉度も知ってる。
薪ストーブが使う空気の量を計測しています、という事を知ってほしい第一回目。
これをベースにいろんなことを話していけるのかな、って感じ。