周辺のあるなし。

2021年03月24日

普通我々道産子は、例えば東京とか都市にいくことはあっても、僕がこないだ滞在していた安曇野や佐久という都市というか、、田舎町に滞在することは少ないと思う。

仕事でそういうとこに滞在できるのはホントいいわ。ゲストハウスに1日滞在する、というのともまた違う。5日位居るといいところじゃないところも見えてきたり感じとれたりできるというか。

そうやって大都市ではないところに滞在していると、今までそれがフツーでしょと思っていたやはり北海道の特徴というか、それらがめちゃくちゃ際立つ。俺も最近気がついた。

際立つのはどちらかというと、、というか完全にネガティブなほうの笑

長野県の佐久市なんて例えば、人口は10万人に満たない。

ただ、お昼時ともなるとそこら中に飲食店があり、どこも賑わっててどこも個性を出しておいしい店が多い。高くないし。こりゃ賑わうだろうと思う。

一方函館はとなると、外食できるところが無いので(佐久市とか上田に比べると無い、と言っていいと思う。)、コンビニが目立ち、(逆にコンビニは函館に比べると物凄く少ない、、、いや、函館のコンビニが異常に多い)、函館のテキトーなところに入るとアキヤマの冷凍食品を温めて提供するようなところも多く、店が少ないので個性を競うところまでいかない(たまにそんなところもあるけど)。

佐久市の人はお昼はコンビニ弁当だったらたぶんガックリだ、こんなに温かくておいしいものを提供するとこがたくさんあるのに。

この差は何? か、というと、もちろん気質でもなんでもなく、周辺人口の差だろうね。

車で1時間の人口とかで考えると、函館26万人都市と佐久市だと、佐久市の方が全然大きくなる。二時間だとさらにもっと差は大きくなる。

長野は(というか本州は)里山風景の中に人が住む地域が道沿いに続くけど、北海道はとにかくブッツリ切れる。人口5000人と5000人の町のあいだには何もない。25万人の町と、3万人の町に5000人の町があり、それらのあいだは山と道とキツネしかいない。日本中で一緒くたにされているけど北海道の過疎の5000人の町は本州の5000人の町と抱えなければならない問題自体が違うのよ。

“周辺”があるかないか。

函館もまさにそう。”周辺”が無い。

ポテンシャルがあるのはまあ理解はする、旧市街や夜景やおいしい素材たち。海に山。そのポテンシャルがあるが為に、、という残念ポイントが目立つ。

旧市街の使い方なんてのは本州の方が頑張っているわ。松本にしろ上田にしろ、古い建物使った通りなんてワクワクするじゃん。小さなパン屋さん、雑貨屋さん、お菓子屋さん、カフェ、、。これらは東京の人が遊びに来る事も視野に入っているので(長野の上田と東京はたった200キロ、函館と札幌は高速でなんと300キロ!)、当然そういうレベルでないとやっていけない。

例えば函館人は普段食べてる魚がこれだけイイとさ、、寿司が圧倒的にうまいのは東京だということを知れないよね、まさかそんなことあるわけないと思うもんな。黙っててもあるものの価値ってわからなくなるんだよね(しかし、普段食べている魚と野菜のうまさは都民がビビるようなレベルだと思う)。価値がわからないと、、人にうまく伝えれないもんね。

美味しい回転すし店がどんどん出てくる事で地方特有の寿司の価値が薄まったり、均一化しておいしいというホスピタリティは上がったり。そういう流れや、物流が解決したこと、今も解決し続けていることってあるよね。だって30年前の札幌の魚なんて函館人にしたら2ランクは下がるようなものだったの。「札幌のサカナ食べれないね、、」って当時言ってた。今は魚なんてのは海の無い札幌だって旭川だったそんなに変わんないよね。じゃ地方の魅力って何? ってなると、住んでる人達がそこを好きだっていう気持ちだと思うよね。それって俺の薪ストーブが好きっていう気持ちと一緒で人に勝手に伝播していくし笑

好きって気持ちは好きになろうって努力で好きになるわけじゃないし、そこで生まれたから好きなんだっていう当たりまえの気持ちって他者には共感しないし、それは全員だいたい持ってるものだしね。

そういう郷土愛をベースに、その上にある愛される材料だよね。それが増えていかなきゃさ。そこが圧倒的に少ない気がする函館。食べに行っておいしいとかもそうだし、たまに東京でこれやったらヤバイよって店とかに遭遇するときもあるけど、函館でどう戦えるかを考えるてるとすると東京で戦える可能性は無いよね。実際この店都会だったら在る意味無いよねって店いっぱいだ。あまりにも陸の孤島的な地域はそういう考えすら持たなくても守られてて大丈夫っていうかね。温泉もスーパー銭湯は賑わうけど、小さいかけ流しの温泉は函館市内にはほとんどない。青森はかけ流しなんてめちゃくちゃあるしホント温泉が生活に根差してるよね。

飛騨高山の観光地の愛想の良さとかは、函館のそのあたりの接客ポテンシャルの悪さを際立たせて感じるというか。俺たちはわからんけど全国の方々はそれを少しずつ知っていくというか。

なんだろね、函館が好きなだけにこういう旅の後ってちょっとうちのめされて帰ってきちゃうんだよね笑、、、。

このラーメンなんかホント最高だったな。

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