なぜ薪ストーブ先進国に4本足ストーブがないか。

2021年04月04日

なぜ薪ストーブ先進国に4本足ストーブが無いのか、

そして日本が4本足ストーブばかりなのか。

 

薪ストーブを選定する時に「この家にこの薪ストーブで間に合うか?」という選定基準が出てくるんだけど、

いま、北海道では建つ家の性能が様々過ぎて、全く一概に答えられなくなってきた。一番難しい問題に成長してきたね。本州で、性能上がってきた住宅に住む人もぜひ参考にしてください。

それが表題の4本足が無くて4本足ばかりなのかを解くカギです笑。

まず、基本を2個だけ、押さえたい。

一つは燃えているのはストーブじゃなくて薪としっかりと認識しなきゃダメだよね。ストーブ本体のカロリー表示はあんまりあてにならない。参考にしないでほしい。小さいストーブが小さい熱量ってことではない(後で説明します)からね。

 

もう一つの基本は、薪は長時間燃焼できないという超大前提です笑!

薪ストーブはもう薪を長時間燃焼させる技術に取り組んでないのよ。排出ガスの色々な厳しいエミッションに対してキレイに燃やす事をしなくてはいけないし。しっかり燃焼する技術はいるけど、長時間燃焼する技術は要らんのです。そそのニーズに応えているのは蓄熱技術ですわ。後でまた詳しく説明します。

それをしっかりと認識した上で、

ストーブのキャラクターが家を”どう”温めるかに大きく関係しているんだけどそのキャラクターを決定づけるのが、

A 例えば一時間にどれくらいの薪が燃えてしまうストーブなのか? その熱を何時間かけて放出するのか。

B 出す熱の種類

の二つ。

AとB の二つが建物の断熱性能のなかでどういう風に働くかが大まかな温熱環境になります。

今までは単に住宅の広さに対してストーブを選定することが多かったんだけど、ウチでは吹き抜けに対流熱として作用するストーブは温度差凄いよ、とかはシビアな選定は昔からやってきてますけど。断熱性能がヨーロッパの家並みに高い家は、そうはいかなくなってきてるのよ。

まあ、普通、ストーブ屋さんに行ってもこのあたりの事は絶対に話してくれることはないと思う、だって話を面倒にするだけだし笑 俺は敢えて今話してますけど、、納得して選んでほしいと思っての事だけど、お客様自体もめんどくさそうな時ある笑。し、ココに求められるのは薪ストーブの経験もそうだけど、、、それよりは、高性能住宅に暮らした経験が大事なんだよね。

このあたりはプロっぽい仕事ははっきり言って薪ストーブ屋に求められてないよね笑、だし、ハッキリ言って薪ストーブってテキトーに売られていると思うよ。ストーブ屋の手離れのイイ壊れない商品っていうか。モノとして欲しいということが優先になると、どう温まろうが関係なかったりするし、お客さんは初めての薪ストーブなわけだから、何売ったって最高っていうんだよね笑。住めば都っていう言葉もあるわけで、良くても悪くても工夫してまあまあうまくやるんだよね笑。

 

じゃ、単純に広さで選べなくなってきてるというのは、

住宅性能が上がると、一時間に必要な熱量が小さくなってくるんだよね。とても小さくなる。

大体の4本足っていうか、大体の薪ストーブって高性能住宅が必要な暖房能力を大幅に大幅に上回ってるわけです。なのでどうなるかというと、、室温がどんどん上がるさそりゃ。どうやって暮らしているかというと、

どんなに外が寒かろうが焚いていると室温はどんどん上がり続けるので、薪ストーブは当然間欠運転になる。間欠運転が作り出す上がる室温が上がる⤴下がる⤵の波の中で暮らすことになる。慣れてくるとうまくこの波を作れるようになり、波はあれどまあまあうまくやっていけるようになる。1日に3回も4回も焚付したりする感じ。

焚いた時ドカーーンと温度上がる(やりすぎると簡単に30℃とかに)なってしまうよりは、安定した温度で暮らす方が、やっば断然イイ。っていうか性能あげていくと、対流によるコールドドラフトが無くなっていくので、21℃でも超あったかいって感じるんだよね。

そこで求められるのは蓄熱よ。

蓄熱は今までの論調的には、長い時間あったかい、っていうのがよく謳われているけど、

そう謳われているからあったかいのかなあ、ってみんな思ってるけど、

違うの

蓄熱させることで、わざと出力を下げてるのよ。

住宅の性能が高いと高い出力のストーブだとオーバーヒートして1日の温度差ができてそれに伴って過乾燥したり湿度コントロールが困難になるし、対流が起きるから、

それって快適じゃないよね、って

低い出力でその代わり長い時間熱を放出するってのが

蓄熱さ。

だから蓄熱は性能が高い家に合ってるのよ。

古民家でメイソンリヒーターっていうのは気持ちはわかるけど、用途はあってないわけ。そういう時は、蓄熱だけど出力を上げて、蓄熱時間を下げたものを作れるので提案しています。

出力と放熱時間の関係は想像の通り重さに非常に関係があって

3tもあれば放熱時間は50時間もあるだろうし、500㎏だったら12時間かもしれない。蓄熱している熱の量も重さにほぼ比例だよ。最近縦長のストーブに蓄熱をつけているやつもあるけど、あれはまたちょっと別の話で、、300㎏とかってハッキリ言って蓄熱体ではないね笑。ココで書いてる効果は無いです。また別の機会で説明しますわ。

(2.3t 朝21℃で起き、ピークは23℃だそう)

欧米は住宅の性能を法律で縛っていて、日本はこれ無くって、これ突っつかれる材料なので、2020年ら義務化する予定で2013? 頃から動いていたんだけど、2019年に頓挫。いまだに義務化されていない唯一の先進国って言われてますわ。

なので、例えばフィンランドでもスウェーデンでも100mmの壁の家ってないわけです。法律で建てられないわけだから。

だから、4本足が無いのよ。

だから新商品が出てこないの。必要ないから。温熱環境として住宅にマッチしないという事がわかっているから無いのよ。

そこをウチはやっぱどんどん進めていきたいよね。メタルストーブを終わらせる勢いで笑。写真のようなメイソンリヒーターだけじゃなく色々なものがあるからね。

 

なげー。熾壺日記でかけないやつってこういうのさ笑

B出す熱の種類についてはまたいつか書きます。

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