ネスターマーチンがなぜぶっ壊れないか。
ブログにするのもったいないくらいのテーマだな笑
だけど前から書こうと思ってて。
メンテナンスに回ってると、何年経ってもとにかくネスターの老けないことには驚く。俺が順調に老けていってるってのにこいつは老けない。
ネスターが丈夫だっていうのは、鋼板だから、って事でもあるけど、
そこでくくっちゃ8割は足りてないよね。
今日はその8割について話そと思って。
まず、薪ストーブが燃えるためには薪が入っている炉内の中に燃焼に使う空気が入るようになっているわけよね。
無いと燃えないので、どのストーブも炉内に空気が入るようになっています。
その空気をどう入れるか??
っていうのがストーブの設計上めっちゃ大事で
ストーブのキャラを決める、燃え方のキャラを決めるのが空気の入り方と量によるところがすごく大きいんだけどさ。
ネスターは、知っての通り、ウッドボックステクノロジーってって、燃えた熱で燃焼する空気をあっためて(プレヒートという)、←このプレヒートは今は沢山のストーブについている主流なんだけど、
ここからかネスター独自で、
プレヒートした空気だけで燃えているのは、世界に死ぬほど沢山ある薪ストーブの中でネスターだけなのよ。
通常どうなっているかというと、
①プレヒートされていない、プライマリーエアーと言われる下から入る空気と、
②度合いにもよるけどプレヒートされたセカンダリーエアと言われるガラスにぶつかって入ってくる空気と
③バッフルの下で反応する空気を補うための第三の空気(クリーンバーンエアーなんて言われる)三つの空気で燃えているんだけど、
ネスターは①も③も無い、②だけで燃えてんの。(ま、A-Bレバーで下から空気を入れることも可能なんだけど)
ここが壊れないポイントなんだけど、
壊れる方程式って
燃える薪 × 空気
で 薪の量に応じて、燃え方に応じて空気が入るのよ、ようはよく乾いた針葉樹とかガッツリ入れて、燃やすと、どんどん燃えてドラフトも強くなって同時に空気もたくさん入って可燃焼になることがあるわけ
一方 ネスターはどんな式になっているかというと
燃える空気 × 薪
なの。
薪が沢山入っていたとしても、プレヒートした燃える空気ぶんしか燃えれないわけ。薪優先じゃなくて入る空気優先なのよ。なので、可燃焼できないわけ、ま、さっき言った、A-Bレバーで本来コークス燃やす用の下から入るプライマリーエアーをガンガン入れたら、上の式になるわけで、そりゃネスターでも壊れるわ。
薪が沢山入っていたとしても、プレヒートした燃える空気ぶんしかもえないから、
たくさん薪を入れると炉内は高温オーブンだからさ、
燃焼ガスは薪から沢山でるわけよ。
でもプレヒートした燃える空気分しか火にならないから
ガスは余って外に出ていくの。
ネスターはそういう事できるからって沢山薪を入れすぎるとダメなんだよね、適量が大事なわけ。あ、全てのストーブそうだね笑。入れすぎでイイ燃焼できるわけないんだけど、
日本は薪入れすぎ神話だよね。
だから素材が壊れない、とかストーブが堅牢にできているとかっていうことじゃないわけよ。そこで張り合ってくるのやめて笑
入る空気優先で燃えているから、針葉樹でも壊れないってわけ。昔この記事書いたな。
じゃなんでこういう薪ストーブ他にないの? って言われると、
特許なのかさ、わかんないけど。
ホント無いよ。
もしこれで内面がスカモだったらさ、
熱を炉内に反射しすぎて、ガスが出すぎて全然うまく燃えないと思うんだよね。
そういうもう少しチューニングなんとかならないかな、って薪ストーブって実際けっこうある。
この燃え方のデメリットは、
空気をめっちゃ温めるから、沢山の空気は使えないわけよ、温度が下がっちゃうから。だから、空気があまり入らないので焚付の時は細かいの沢山いるよね。いやデメリットじゃないな。細かいの用意するのは薪焚く人の義務だし。これは、立ち上がれば、ゆっくり燃えるというメリットに変わるし。なんならA-Bレバーで補えるし。
ガスケットも最強。
芯入りっていって二重になっている。実際これ取替不要と言ってもいいのではないか笑。持ってるけど、取り替えたことほぼない笑 持ってなくていいと思う。
二重構造なのでカタマリの暖かさみたいなものはないけど、(ある程度高性能な家の方が俺は向いていると思う)ホント選択肢に入れてイイストーブだと思う。
京阪さんお素麺ありがとう。